フリーランス・クリエイターがチームをつくる方法|組織化とチームビルディング完全版 | グーチョキ・タイムス

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フリーランス・クリエイターがチームをつくる方法|組織化とチームビルディング完全版

#組織

「一人で抱え込む」からの脱却

フリーランスのクリエイターとして活動しはじめて、順調に仕事が増えてくると、誰もがあるタイミングで、同じ壁にぶつかります。

「一人ではもう対応しきれない!」
「すべての時間を仕事に使っても足りない」
「毎日の徹夜で、心身ともに限界だ、、、」

締め切りに追われるクリエイター
締切と依頼でいっぱいいっぱい、、、

これは珍しい話ではありません。
むしろ、ちゃんと仕事をして、ちゃんと評価されてきた人ほど、ここに辿り着きます。
評価され、依頼が増えているのは喜ばしいことです。
しかし、どれだけスキルが高くても、一人ですべての仕事を抱え続けるには、物理的な限界があります。

そこで頭をよぎるのが、
「誰か人を入れてみるか、、、」
「チームにして組織化してみようか、、、」
という考えです。

しかし、またその一方で、新たな悩みが出てくる。
「自分にリーダーなんて務まるのだろうか?」
「どんな人を採用すればいいのか分からない、、、」
「雇用って何か提出するの?」
「どうやって仕事を教えればいいのだろう、、、」

そして、そうこう考えているうちに、また締め切りに追われ、結局ひとりで無理し続けてしまう。
今回の記事では、そんな迷える忙しいフリーランスクリエイターのために、採用から雇用、指導、組織化までを整理した完全版ガイドとしてまとめてみました!ぜひ楽しんで読んでみてくださいね!


採用応募はSNSを使おう

まず最初の採用で、いきなり求人媒体を使う必要はありません。
オススメなのはやはりSNSです。

X(旧Twitter)、Instagram、Threads、Facebookなどで、日頃の制作物や考え方を発信していると、近しい考え方、近しいジャンルの人たちへ投稿が届いていき、つながりが出来てきます。

これは非常に重要なポイントで、クリエイターのチームでは価値観の一致が生産性を左右します。
SNS採用の良いところは、応募前から「どんな人なのか?」「どんな仕事なのか?」「どんなマインドで仕事をしているか?」が最初からある程度伝わっている点です。

また、求人媒体は掲載するだけでそれなりにコストがかかりますが、SNSでの発信は基本的に無料です。お金をかけずに採用活動ができるのも大きなメリット。

各種SNSにはそれぞれ独自のアルゴリズムがありますが、少し語り口調的なテキストにして、「バズりやすさ」を意識した投稿にするのもひとつの手です。
かしこまった真面目な求人文章よりも、「今、こんな状況で、こんな人を探しています」といったストーリー調の書き方のほうが、バズりや、多くの露出を生み、より良い出会いの確立も上がってくるのです。このあたりは運やタイミングもあるので、実際に試行錯誤、触ってみて、投稿してみて感触をつかんでいただければと思います!

投稿の中に簡単な労働条件を書いても構いませんし、
自身のWEBサイトの採用ページに誘導するのもおすすめです。
SNSをあくまで入口として使い、情報は整理された場所にまとめておくと、後々のやり取りもスムーズです。

拡散されやすいような文章にしてみましょう

また、クリエイターチームにおいて一番大事なのは、価値観の近さです。
SNS経由の応募は、最初から自分のことある程度わかっている方からの連絡なので、ミスマッチが起きにくい。
スタッフさんを迎える手段として、経済的で、かつ相性の良い方法だと思っています。
実際に、弊社の採用活動はすべてSNS経由で行っており、採用費用がかかっておりません(笑)


面談ではスキル・人柄・相性を見る

面談で見るべきポイントは、大きく3つです。
スキル人柄、そして相性

スキルは後から伸ばせますが、人柄や相性は簡単に変わりません。
報連相ができるか、締め切り意識があるか、コミュニケーションは軽快か、指摘を前向きに受け取れるか、対面派かリモート派か。
このあたりを見逃すと、後々に大きく響き、ミスマッチになりかねません。

※実際にはオンラインミーティングでの面談が多いです。

「一緒に仕事をしているイメージが湧くかどうか」を大切にしてみてくださいね。


雇用するなら契約書は必須

従業員を雇用する際は、労働基準法により、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があります。個人事業主でも法人の場合でも、採用が決まった段階で、「労働条件通知書」を作成し、必ず交付するようにしましょう。

あわせて、業務上知り得た情報を適切に管理するため、秘密保持契約書(NDA)も締結しておくことをおすすめします。

また、法人で人を雇う場合に注意したいのが社会保険です。
勤務日数や勤務時間が一定の基準を超えると、
たとえアルバイトやパートであっても、健康保険・厚生年金の加入対象になります。

・週の所定労働時間
・月の勤務日数
・会社の規模

などによって細かく条件が変わりますが、
「法人で雇う=社会保険が発生する可能性がある」という認識は、持っておいたほうが安全です。

だからこそ、
勤務時間、業務内容、報酬、契約期間などを書面で明確にしておくことが重要になります。

さらに、初めて従業員を雇用した場合に忘れがちなのが、税務署への届出です。
従業員を初めて雇用した日から1か月以内に、
「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を所轄の税務署へ提出する必要があります。

※これら手続きは、個人事業主か法人かによって適用されるルールも大きく異なります。
必ず最新の情報を確認のうえ、ご自身の状況に合わせて提出してください。


自分が大切にしていることを伝えよう

チームを作るうえで欠かせないのが、「自分が何を大切にしているか」を言語化して伝えることです。

・締め切りを守ること
・レスポンスの速さ
・品質へのこだわり
・出社メインかリモートOKか

これはルールではなく、価値観の共有です。
ここが曖昧だと、判断基準が人によってズレていきます。

「なぜそれを大事にしているのか」まで含めて伝えると、理解度が高まり、そしてその積み重ねが、やがて、ビジョン経営理念として共有されていくのです。


細かく指導するか、任せるか?

最初の段階では、細かく指導するフェーズが必要です。
求めるクオリティレベル、作風の合わせ方、タイムマネジメントの考え方、ソフトの使用方法、メールの書き方などなど、基本となる考え方を丁寧に共有していきます。

指導を行う際には、至らない箇所を「感情」ではなく「事実」として指摘し、分かりやすく言語化したうえで、赤入れなど具体的な形で示します。あくまで成果物に対するフィードバックを中心に行うことが重要です。
そのうえで、「なぜその表現になるのか」「なぜその考え方をするのか?」といった思考プロセスもあわせて伝えると、より理解が深まります。

また、あるスタッフがつまずくポイントというのは、他のスタッフにとっても、つまずきやすい部分でもあるので、内容をマニュアル化し、共有できるようにしておくことをおすすめします。
マニュアルがある程度蓄積されてくると、それを読んでもらうだけでも新人研修の質と深度が大きく向上してきます。

業務に慣れ、一定の水準を安定して超えられるようになったら、徐々に仕事を任せていきます。
ただし、「任せる=放置」ではありません。ときどき進捗を確認しつつ、その人自身のイメージをふくらませていただき、自由度高く制作してもらう。そうすると、私の想像を超える、思いもがけない良い作品を生み出してくれるようになっていきます。


勤怠管理と給与支払いはしっかりと

人を雇用した時点で、避けて通れないのが勤怠管理給与支払いです。
何時から何時まで働いたのか。
残業はあるのか、ないのか。
休憩時間はどう扱うのか。

これらすべて、記録として管理することが必須になります。
勤怠管理の方法としては、
・スプレッドシート
・勤怠管理ツール
・タイムカードアプリ
など、便利な選択肢がたくさんあります。
株式会社グーチョキパースでは、会計から給与、勤怠、社会保険、契約、年末調整までを一元管理できる「マネーフォワードクラウド」を利用していますが、ツール自体はご自身のやりやすいもので構いません。
大切なのは、「あとから確認できる形で管理されているかどうか」です。

給与支払いについても同様です。
支払日、締め日、計算方法を明確にし、
毎月同じルールで処理することが重要になります。

リーダーとしての心構え

リーダーに、特別なカリスマ性は必要ありません。
必要なのは、決めることと、責任を引き受けることです。

最終判断は、自分がする。
そして、ミスが起きたときは、まず「すべての責任は自分にある」と受け止める。
これが、リーダーとしての基本姿勢だと思っています。

人をチームに迎えるとき、
採用を決めたのも、仕事をお願いしたのも、業務内容を説明したのも、すべて自分です。
であれば、その結果に対する責任も、すべて自分にあります。

うまくいかなかったときに、
「伝え方が悪かったのかもしれない」
「判断が甘かったのかもしれない」
と、まず自分を振り返ることができるかどうか。

この「原因自分論」の考え方ができると、
メンバーたちが安心して仕事ができ、余計な萎縮や遠慮が減っていきます。

「リーダーに向いているかどうか」はあまり気にしなくても大丈夫!
リーダーという肩書を引き受けたことで、少しずつ人はリーダーになっていくものです。
肩書が、自然と考え方や責任感、視座を引き上げてくれるからです。

最初から完璧である必要はありません。
間違えてしまったら少しづつ軌道修正すれば良いのです。


人数が増えてきたときの組織化

人数が増えてきたら、役割分担や情報共有が重要になります。
誰が、何を、どこまで対応するのか、どこまで任せるのか。

スプレッドシートやSlack、Notionなどのツールを使い、
「属人化しない仕組み」を少しずつ整えていきましょう。

ガントチャートでPJの進捗をチームで共有

チームって楽しい!

チームで仕事をするようになると、仕事の世界が変わります。
自分一人ではできなかった規模や量の仕事ができたり、誰かと成果を分かち合える。

もちろん組織は組織で大変なこともありますが、
一人だけで戦い続ける状態からは解放されます。

もし今、一人での戦いに疲れを感じているとしたら、
チームを作ってみることをぜひおすすめします!

このコラムが、その一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです!

この記事の著者

山下 翔一朗

株式会社グーチョキパース代表取締役/1988年埼玉県川越市生まれ。小さいときから絵を描くことが好きで、美術高校・美術予備校・美術大学で、美術やデザインの基礎を学ぶ。多摩美術大学を中退後、日建設計イラストレーションスタジオにて10年間、手描きパース制作に従事し、数多くの大規模プロジェクトに携わる。その後独立し、株式会社グーチョキパースを設立。手描きパースや建築イラストを、設計事務所、不動産開発会社、広告企業など多様なクライアントへ作品を提供している。

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