手描きパースと3DCGパースの違い|建築イラスト会社が教える選び方
建築パースの豆知識シリーズ!
建築パースには大きく分けて「手描きパース」と「3DCGパース」の2種類があります。
どちらも建物や再開発の完成イメージを伝えるためのツールですが、その特性は大きく異なってきます。
この記事では、建築イラスト制作会社グーチョキパースとして、数多くの案件に携わってきた経験をもとに、両者の違いを解説!
プロジェクトの目的に応じた最適な選び方をお伝えします!
(多少のポジショントークも含みつつ、、、)
手描きパースとは
手描きパースとは、イラストレーターが手作業で描き上げる建築透視図のことです。
鉛筆やペン、マーカー、水彩などの画材を使い、建物や空間の完成イメージを表現します。
最近では、アナログ表現以外でのPhotoshopやProcreate、CLIP STUDIOなどのペイントソフトで描いたものも、手描きパースと呼ぶことも多いです。
デジタルツールが普及した現在でも、手描きならではの温かみや空気感を求めるクライアントは多くいます。特に計画初期段階でのコンセプト共有や、行政・住民への説明会、ブランディング用途では根強い人気がありますね!
別名で建築イラスト、建築スケッチ、ドローイング、などと呼ぶことも多いです。

3DCGパースとは
3DCGパースは、コンピューターグラフィックスを用いて作成する建築透視図です。3Dモデリングソフトで建物を立体的に構築し、レンダリングによって写真のようにパリッとしたリアルな画像を生成します。
有名な3Dモデリングレンダリングソフトとして、3dsMax、ライノセラス、sketch up、Cinema 4D、Twinmotion、Blenderあたりでしょうか。
アングルの変更や昼夜の切り替えなど、手描きパースに比べて、柔軟な対応ができるのも特徴です。

手描きパースと3DCGパースの比較
両者の違いを項目ごとに整理しました。
| 項目 | 手描きパース | 3DCGパース |
| 表現の質感 | 温かみ・柔らかさ・手仕事感 | リアル・精密・写真的 |
| 制作期間 | 1〜4週間程度(難易度による) | 1〜4週間程度(難易度による) |
| 修正対応 | アングル変更は描き直しになるので、追加費用が発生。部分修正・色変更は対応可 | アングル・色変更など柔軟に対応可 |
| 料金目安 | 5万円〜50万円程度(難易度による) | 5万円〜50万円程度(難易度による) |
| 適した用途 | コンペ・プロポ・景観協議・説明会・ブランディング | コンペ・プロポ・販促資料・設計確認・BIM連携・VR連携 |
手描きパースを選ぶべきケース
では、具体的にどんな場面で手描きパースが適しているのでしょうか。
1. 設計初期段階のコンセプト共有
プロジェクトの初期段階では、建物や計画の詳細がまだ固まっていないことが多いですよね。そんなとき、手描きパースの「あえて曖昧さを残した表現」が効果を発揮します。
3DCGのように精密すぎると「これで決定なのか」という印象を与えてしまうのですが、手描きであれば「まだ検討の余地がある」という柔らかいメッセージを伝えられます。
また、あえて噓をつく、デフォルメ表現をすることで、より強調したイメージを伝えることも可能です。

2. 行政・住民説明会での活用
再開発や都市計画、まちづくりの説明会では、地域住民や行政担当者など、建築の専門家ではない方々に向けてプレゼンテーションを行うことになります。
手描きパースの温かみのある表現は、無機質な印象を和らげ、プロジェクトへの親しみやすさを生みます。特に反対意見が出やすい場面では、この「柔らかさ」が重要な役割を果たすんです。
3. 設計コンペ・プロポーザル
設計コンペでは、提案の独自性やコンセプトの明確さが問われます。多くの参加者がCGパースを使う中で、手描きパースは審査員の目を引く差別化要素になりえます。
設計者の「思い」や「こだわり」を表現するうえで、人の手が入った温かみは大きな武器になりますよ!
4. ブランディング・広報用途
企業や施設のブランドイメージを高めたいとき、手描きパースはアート作品としての価値も持ちえます。Webサイトやパンフレット、ポスターなどに使用することで、他社との差別化につながります。


ちなみに、手描きパースを発注するの際の「アングル」の話も下記にまとめてあります!↓
3DCGパースを選ぶべきケース
一方、3DCGパースが適しているのは以下のような場面です。
1. 販促・営業ツールとしての活用
住宅メーカーや不動産会社がお客様に販売用資料として見せる場合、写真のようにリアルな表現が求められることが多いです。
実際に住んだときのイメージを具体的に想像してもらうには、3DCGの精密な表現が効果的ですね。

2. 設計確認・意匠検討・BIMとの連携
設計者自身が意匠を検討する段階では、正確な寸法感や素材感を確認できる3DCGが役立ちます。複数アングルからの検証や、昼夜の光環境シミュレーションなども可能です。
またBIMと連携することで、設計変更が生じた場合でもモデルを作り直すことなく修正内容を反映でき、図面とビジュアルの整合性を保ったまま検討を進めることができます。
3. VR・動画との連携
ウォークスルー動画やVR体験を作成する場合は、3Dモデルが必須となります。静止画だけでなく、動的なコンテンツへの展開を見据えるなら、最初から3DCGで進めるのが効率的です。

4. 頻繁な修正が想定される場合
設計変更が多いプロジェクトでは、修正のたびに描き直しが必要な手描きよりも、3DCGのほうがコストを抑えられる場合があります。(CGの方には怒られてしまうかもしれませんが、、、。)
「併用」という選択肢
実際のプロジェクトでは、手描きと3DCGを併用するケースも少なくありません。
たとえば、設計初期段階では手描きでコンセプトを共有し、詳細が固まった段階で3DCGに切り替えるというフローです。説明会用には手描き、販促用には3DCGと、用途に応じて使い分けるケースもあります。
「どちらか一方」と決めつけず、プロジェクトの各フェーズで最適な手法を選ぶという柔軟な姿勢が大切ですね。
まとめ|目的から逆算して選ぶ
手描きパースと3DCGパースは、どちらが優れているというものではありません。それぞれに強みがあり、プロジェクトの目的・フェーズ・ターゲットによって最適な選択は変わってきます。
- 温かみ・柔らかさを重視するなら → 手描きパース
- リアルさ・精密さを重視するなら → 3DCGパース
- 初期コンセプト共有・説明会 → 手描きパース
- 販促資料・VR連携・BIM連携 → 3DCGパース
迷った際には、
「この絵を見せる相手は誰か」
「何を伝えたいのか」という原点に立ち返ってみてくださいね!
株式会社グーチョキパースでは、手描きパースの受託制作を専門としています!
プロポ、コンペ、再開発説明会、ブランディング用途、イラストマップなどなど、気軽にお問い合わせくださいませ!


