建築パースを発注する時の指示書・指示スケッチの作り方

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建築パースを発注する時の指示書・指示スケッチのつくりかた

#建築パース

今回は、建築パースを発注したい事業者様向けに、「指示書・仕様書・指示スケッチの作り方」をテーマにしたいと思います!
建築パースの発注で最も重要なことは、制作者に「何を描いてほしいか」を正確に伝えることです。指示が曖昧だと手戻りや修正回数が増え、納期が遅れたり、追加費用が発生する可能性があります。パース制作者への指示がスムーズに運べば、制作期間の短縮につながり、プロジェクト自体の成功確度も上がってきますので、クライアント事業者様はぜひご覧いただければ幸いです!


指示書に必ず含めるべき5つの項目

建築パースの指示書には、以下の5項目を含めるとよいでしょう。

1. アングル・構図の指定

パースをどの位置から、どの角度で描くかを指定します。

具体的な指示方法

  • 一番良いのは、モデリングデータからアングル出しした画像
  • 平面図・立面図・断面図に視点位置視線方向を記入
  • 目線の高さ(アイレベル)を明記(例:GL+1500mm)
  • 画角の希望があれば伝える(広角/標準/望遠)
    (↑これはレンズ幅を調整出来るCGの場合が多いかも)
  • 既存の参考画像があれば「このような構図で」と添付
モデリングデータからカメラで設定したアングル出しのイメージ
モデリングデータからカメラで設定したアングル出しのイメージ
平面図に立ち位置を指定したイメージ
平面図に立ち位置を指定したイメージ

✖曖昧な指示の例:「建物が良く見えるアングルで」
◎明確な指示の例:「南東側から、GL+1500mm、建物正面とエントランスが見える構図で」

2. 描画範囲の指定

どこまでを画面に入れるか、どこを省略してよいかを明示します。

チェックポイント

  • 建物のどの部分まで描くか(全景/部分)
  • 周辺環境をどこまで描くか(隣地建物、道路、植栽など)
  • 室内パースの場合、どの壁面まで見せるか
  • トリミング位置の希望

3. 時間帯・天候・季節の設定

パースの雰囲気を大きく左右する要素です。

指定すべき内容

  • 時間帯(朝/昼/夕方/夜)
  • 天候(晴れ/曇り/雨上がりなど)
  • 季節感(桜の季節、新緑、紅葉など)
  • 照明の状態(昼光のみ/照明点灯など)

例:「晴天の午後、木漏れ日が差し込むイメージ」
 「夕暮れ、逆光で影が長く、抒情的なイメージ」

4. 添景・人物の配置希望

建築物以外の要素について指示します。

考慮すべき点

  • 人物の有無、人数、配置場所、サラリーマン、親子などの属性
  • 車両の有無、車種のイメージ
  • 植栽のボリューム感
  • 家具や小物の配置(室内パースの場合)
  • 添景の描き込みレベル(詳細/簡略)や密度感(たくさんか少ないか)

5. 表現スタイル・仕上がりイメージ

どのような表現で仕上げるかを伝えます。

確認事項

  • 手描き風/CG風/水彩風など
  • 線の強さ、色味の希望
  • リアル系/イラスト系
  • 参考画像があれば必ず添付
仕上がりイメージによって絵の見え方が変わる

効果的な指示スケッチの描き方

文章だけでは伝わりにくい構図やイメージは、簡単なスケッチを添えると格段に伝わりやすくなります。

一番良いのはモデリングデータ+指示メモ

一番良いのは、実際のPJで作っているモデリングデータで、アングルを確定した状態で、
指示メモを追加して頂くのがベストです。これがあれば最短で納品までいけます。

ベストな指示書
※サンプルとして作成した指示書データなので、実際のPJではございません。

こちらのように、適宜、参考イメージ落書きで描いたような添景(人、樹木、車等)を入れていただくとイメージがより伝わります。スケッチはPCやipadでのデジタルツールを活用しても、印刷してペンで直書きでも、どちらでも問題ございません。伝われば何でもOKです。

もし「モデリングデータを用意するリソースがない」という場合には、GoogleEarth(グーグルアース)GoogleStreetview(グーグルストリートビュー)を活用する手もあります!

googleEarthでアングル出しをするイメージ
googleEarthでアングル出しをするイメージ

スケッチに必要な情報

指示スケッチは上手である必要はありません以下の情報が伝われば十分です。

最低限描くべき要素

  • 建物の大まかな形状とボリューム
  • 視点位置と地平線(アイレベル)
  • 画面内に入れたい範囲を示す枠
  • 主要な添景の位置(樹木、人物など)
  • 強調したいポイントに印をつける

スケッチの実例

とはいえ、「私は絵が描けないから、スケッチでの指示なんて無理だ、、。」というクライアント様も多いです。
しかし、

どんな雑なスケッチでも、制作者は理解できます。

無いよりは有るほうが良いので、発注者の方にはぜひ指示スケッチを描いて頂きたいです。

[簡単なイラスト例]
・四角形で建物のボリュームを示す
・矢印で視線方向を示す
・「木」「人」などと文字で添景を示す
・「ここを強調」などのメモを添える
これくらいラフでもOK

そのほかに、
現地写真を撮影して「このアングルで」と伝える方法も非常に有効です。


参考資料として提供すべきもの

指示書・スケッチと合わせて、以下の資料を提供すると制作がスムーズに進みます。

必須資料

  • 図面データ:平面図、立面図、断面図(可能であればCADデータ)
  • 仕上げ表:外装・内装の素材、色指定
  • 配置図:敷地と周辺環境の関係

あると望ましい資料

  • 素材サンプルの写真
  • 家具・照明器具の商品画像
  • 類似事例の参考画像
  • プロジェクトのコンセプトシート

よくある指示の不備と対策

不備例1:「いい感じでお願いします」

これは最も避けるべき指示です。「いい感じ」は人によって全く異なります。

対策:必ず参考画像を添付し、「このような雰囲気で」と具体的に伝えましょう。

不備例2:アングル指定がない

視点位置が決まらないと、制作者は描き始められません。

対策:平面図に視点位置を記入する、もしくは現地で写真を撮影して「このアングルで」と伝えましょう。

不備例3:修正前提の発注

「とりあえず描いてみてください、見てから決めます」という姿勢は、余計な時間とコストがかかります。

対策:発注前に社内、元発注で十分に検討し、明確な方向性を固めてから依頼しましょう。

不備例4:口頭だけの打ち合わせ

口頭で伝えたつもりでも、認識のズレが生じることがあります。

対策:打ち合わせ内容を必ず文書化し、制作者と発注者の両方で確認しましょう。


チェックリスト:発注前の確認事項

発注する前に、以下の項目をチェック

□アングル・視点位置は明確か
□描画範囲は具体的に指示したか
□時間帯・天候・季節を指定したか
□添景・人物の配置希望を伝えたか
□表現スタイルの参考画像を添付したか
□必要な図面・資料は全て揃っているか
□納期と修正回数の条件を確認したか
□予算内で対応可能か確認したか


まとめ

建築パースの指示書・指示スケッチは、「相手に誤解なく伝える」ことが最大の目的です。
絵が上手である必要はありませんが、必要な情報を漏れなく伝えることが重要です。

特に以下の3点を意識してください。

  1. 具体的に指示する:曖昧な表現を避け、数値や参考画像で明確に伝える
  2. 視覚的に伝える文章だけでなく、スケッチや写真を活用する
  3. 事前に固める:発注前に社内や元発注と方向性を十分に検討する

適切な指示書を用意することで、修正回数が減り、納期通りに、イメージ通りのパースを手に入れることができます。初めて発注する方は、このチェックリストを参考に、指示書を作成してみてください!


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この記事の著者

山下 翔一朗

株式会社グーチョキパース代表取締役/1988年埼玉県川越市生まれ。小さいときから絵を描くことが好きで、美術高校・美術予備校・美術大学で、美術やデザインの基礎を学ぶ。多摩美術大学を中退後、日建設計イラストレーションスタジオにて10年間、手描きパース制作に従事し、数多くの大規模プロジェクトに携わる。その後独立し、株式会社グーチョキパースを設立。手描きパースや建築イラストを、設計事務所、不動産開発会社、広告企業など多様なクライアントへ作品を提供している。

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