スウェーデン絵画の鑑賞

はじめに
こんにちは!スタッフのリエです。
春の陽気が続き、過ごしやすい日々が続いていますね!
私は冷え性な上にとても寒がりなので、暖かくなってきたことにとても喜びを感じている、今日この頃です。
じつは先日、上野公園の桜が咲き始めたころに、東京都美術館開館100周年記念で開催されていた「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」の展覧会を鑑賞してきました。
本展では、19世紀末から20世紀にかけてのスウェーデン美術黄金期の作品が紹介されており、自然や日常の風景を題材にした、全体的に北欧らしい光の美しさや静かな空気感が感じられました。
今回は印象に残った数点の作品を、簡単なご紹介と感想を述べていきたいと思います。
※絵画は掲載できないため、私のゆる~いイラストにてご紹介していきます。
気になった作品はぜひ調べていただき、本物の素晴らしい絵画をご覧ください。
1 草原の妖精たち(1850) ニルス・ブロメール
入場してすぐ目の前に展示されており、最初に目を奪われたのがニルス・ブロメールの≪草原の妖精たち≫でした。
夕暮れの草原で、薄い衣をまとった少女たちが手を繋ぎ、輪になって踊っている様子が描かれていて、どこか現実離れした幻想的な雰囲気が印象的でした。
少女たちはあどけなさがありつつも、顔つきが同じで、個性を感じさせない神秘的な存在として表現されており、人というよりも自然の一部のような不思議な存在として描かれています。
少女たちの足元は宙に浮いているように見え、現実と非現実の境界が曖昧になるような不思議な感覚を覚えました。
やわらかな光に包まれた美しい情景の作品なのですが、何を目的にそこで踊っているのかがわからず、どこか少し奇妙で、ほのかな不気味さも感じられて、その独特の空気感にしばらく見入ってしまいました。

2 車窓の女性(1877) アンナ・ノードグレーン
次にご紹介するのは、アンナ・ノードグレーンの≪車窓の女性≫です。
走り出した列車の窓から身を乗り出し、ホームの人たちに向かってハンカチを振る女性の姿が描かれており、動きのある一瞬が切り取られているのが印象的でした。
風に揺れる髪やハンカチから、すでに列車が発車していることが伝わってきて、その場の空気や時間の流れまで感じられるようでした。
女性の明るい表情からは、前向きな気持ちやこれからの未来への期待、若々しさが感じられます。
夢を抱いて新しい場所へ向かいながら、振り返って故郷の人々に別れを告げているのかな…と、想像が広がりました。
また、構図や色使いがどこかグラフィック的で、現代の映画ポスターのようにも感じられ、時代を超えた魅力がある作品だと思いました。

3 村人たちの噂話(1886) アーンシュト・ヨーセフソン
続いてご紹介するのは、アーンシュト・ヨーセフソンの≪村人たちの噂話≫です。
農村の小道で、年老いた女性たちが立ち話をしているところに、バケツを手にした若い女性が出くわした一瞬が描かれています。
何気ない場面のようでありながら、その場にはどこか張りつめた空気が流れており、思わず目が留まりました。
若い女性についての噂話をしていて気まずくなったのか、それとももともと関係が良くないのか、はっきりとはわからないものの、登場人物たちの視線や距離感から、さまざまな想像が広がります。
どの時代でも、どんな場所でも、こうした人間関係の一瞬があったのだろうと感じられ、親近感も湧きました。
その少し居心地の悪い空気感までも絵画として残されている点が、とても印象的ですよね。
まるでドラマや映画のワンシーンを切り取ったような、物語性のあるリアリティを感じる作品でした。

4 夜の訪れ(1904) ニルス・クルーゲル
最後にご紹介するのが、ニルス・クルーゲルの≪夜の訪れ≫です。
広がる平原と空が大きく描かれた風景の中に、草を食べる馬たちの姿が静かに佇んでおり、全体的に落ち着いた空気が漂っていました。
一見すると、とてもリアリティのある風景なのですが、どこか神秘的な静けさも感じられ、ただの風景画とは少し違う印象を受けました。
夕暮れから夜へと移り変わる時間帯の、日中の暑さが少しだけ和らいだような、夏の静かなひとときを思わせます。
耳をすませば虫の音が聞こえてきそうなほどの臨場感があり、何気ない風景でありながら、ずっと見ていたくなるような不思議な魅力を感じる作品でした。

まとめ
まだまだ紹介したい作品はたくさんありますが、今回はこの辺で…。
自然や日常の中にある一瞬の美しさを丁寧に描き出す、スウェーデン絵画の魅力に触れることができ、とても満足できる展覧会でした。
故郷を愛した画家たちのまなざしを通して生まれた作品を、時代や国を超えて、今こうして鑑賞できることの豊かさを改めて感じています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関連記事
