劇団四季『ライオン・キング』を観に行った2
こんにちは!スタッフのリエです。
前回の「劇団四季『ライオン・キング』を観に行った」の続きの第二幕について、特に気になったことを今回はお話していきたいと思います。
※以下、演出のネタバレも含まれますので、ご注意ください。

メスライオンたちの悲しみの表現方法
ムファサ王が亡くなり、シンバが去ったプライドランド。
策略通りスカーが王となり、ハイエナたちが我が物顔でプライドランドに居座り、美しい大自然は枯れ果て、他の動物たちも逃げてしまい、狩りもできない危機的状況になってしまいます。
映画ではなかったプライドロックに残されたメスライオンたちの苦悩の様子が、劇団四季版では丁寧に表現されています。
その表現方法が、私にはとても印象的でした。
メスライオンたちが涙を流す場面では、目元から白く細長い布を引き出し、それを手で引っ張ることで、まるで涙が流れ続けているかのように表現しているのです。

役者たちの演技だけでも十分に悲しみは伝わってきますが、そこに「涙」を視覚的に表現する小道具が加わることで、彼女たちの深い悲しみがより分かりやすく、そして印象的に伝わってきました。
悲しみという感情をこんなユニークな方法で、役者の表情が見えづらい遠く離れた観客席にもわかりやすく伝わるように形にしてしまう…。
舞台表現の面白さを、また一つ感じたシーンでした。
アンサンブルの存在
第一幕と第二幕を通して、改めてアンサンブルの重要性に気づきました。
舞台を観ていて驚いたのが、動物だけではなく、草花やサボテンまでアンサンブルの方々が演じていたことです。
草花が風に揺れるように動くことで、そこに風が吹いているように感じられます。
さらに、移動することで舞台に奥行きが生まれ、何もない舞台の上に広大なサバンナが広がっているように見えます。
色鮮やかな花やサボテンもとても華やかで、動物たちだけでなく、こうした草花の役も舞台の景色を作る大切な存在になっていました。
そして、もう一つ驚いたのが「影コーラス」の存在です。
舞台上に出ている出演者は数人なのに、まるで大人数で歌っているような厚みのある歌声が聞こえてきます。
観劇中は、「CDなどの音源を流しているのかな?」と思っていました。
観劇後に調べてみると、舞台上に姿を見せず、舞台袖などから歌っている「影コーラス」と呼ばれるアンサンブルの方々がいることがわかりました。
出演していない時間にも、歌声で舞台を支えている人たちがいるのです。
草花として舞台の景色を作る人もいれば、姿を見せずに歌で支える人もいる。
そう考えると、アンサンブルは単なる脇役ではなく、『ライオンキング』の世界そのものを作り上げている、とても重要な存在なのだと感じました。
エンディングのプライドロック
シンバがスカーに勝利した後、ラストのエンディングへとつながっていく場面も、とても印象的でした。
プライドロックが舞台の下から回転しながら現れ、徐々にせり上がっていきます。
そのプライドロックをシンバが一歩一歩踏みしめながら登り、頂上に立って雄叫びを上げる姿からは、第二幕前半で現実から目を背け、『ハクナ・マタタ』を歌っていたシンバからの大きな成長が伝わってきます。
そして、シンバが雄叫びを上げた後も、プライドロックはさらに高く上昇していきます。
それまで激しい戦いが繰り広げられていた舞台が、プライドロックとともに大きく変化し、まるでサバンナに光が戻っていくようです。
動物たちも再び活き活きと集まり、その光景は生命力に満ちているように感じられました。
最後に響き渡る『サークル・オブ・ライフ』は、オープニングで聴いたときとはまた違った感動があります。
シンバが王となり、そして父となっていく姿まで見届けたからこそ、「こうやって命が受け継がれていくんだ」という、この作品のテーマがより強く胸に響きます。
映画でストーリーを知っているはずなのに、目の前で人が演じる舞台だからこそ、改めて物語の意味を噛みしめることができたのかもしれません。
アニメーションとはまた違い、ミュージカルでありながらも実際にそこに生きる人たちの姿として物語を感じられたことで、大人になった今の自分だからこそ、より深く心に響いたのだと思います。
最後の『サークル・オブ・ライフ』では、物語を通して描かれてきた命のつながりと生命の循環を改めて感じ、胸が熱くなりました。

最後に、今回の座席について
今回はかなり前方の席だったので、近い席ならではの良さをたくさん感じました。
◎前方席でよかったこと
・演者の表情がよく見え、感情移入しやすかった
・汗が見えるほど近いので、演者の熱量を間近で感じられた
・舞台との距離が近く、迫力があった
・舞台セットや衣装、細かな仕掛けなどをよく見ることができた
△前方席で気になったこと
・舞台全体を見渡すのが難しい場面があった
・プライドロックなどは、かなり見上げる形になった
・舞台全体の動きや演出を楽しむなら、もう少し後ろの席の方が良かったかもしれない
初めての観劇だったので、個人的には「初回は全体を見渡すためにも、もう少し後ろの席でもよかったかな」と、思う場面もありました。
とはいえ、演者の表情や息遣いまで感じられる距離で観られたのは、とても貴重な体験でした!
次回はもう少し後ろの席から、今回とは違った視点で舞台全体を楽しんでみたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
