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【イラストレーター社長の推しマンガ】第1回:30代を容赦なく刺しにくる『ふつうの軽音部』

#推しマンガ

(株)グーチョキパース代表・石井翔一朗がおすすめの漫画を紹介していくシリーズ
【イラストレーター社長の推しマンガ】の第一弾!
今回は、ジャンプ+で連載中の注目作 『ふつうの軽音部』 を紹介していきます。
本作は、とある高校を舞台にした女子高生たちのリアルなガールズバンド物語。

軽い気持ちで読み始めたのですが……
「これはやばい!」と衝撃を受けました。

※物語の核心をつくネタバレは避けますが、多少、内容に触れる部分もあるので、完全に情報を入れたくない方はご注意くださいませ。


主人公「はとっち」の音楽趣味が、我々世代にぶっ刺さりすぎる

主人公 、鳩野ちひろ(通称:はとっち) は、少し内気で引っ込み思案だけど、とにかく音楽愛の深い女子高生。
そんな彼女の語るアーティスト名が、1980年代生まれの我々には刺さりまくる。

「向井秀徳と同じテレキャスターが欲しい!とか

「andymoriが好き。ナンバガ(Number Girl)と銀杏(BOYZ)も!」とか、、

「志村時代のフジファブリックは外せない」とか、、、、

これを読んでニヤリとしないミドルエイジはいないはず、、、。
私含め、まさに当時の邦ロック、ジャパニーズ・オルタナティブロックを聴き込んでいた高校生時代を直撃しており、「あれ……これ、俺のこと?俺の物語なん?」と思った読者は多いことでしょう。

作中で演奏される曲のラインナップも、往年の名曲から、最近のヒットまで実に絶妙で、「ここでこれを持ってくるか!」という選曲が続きます。

ちなみに僕は高校時代では、安いレスポール風のギターを買って特にBUMP OF CHICKENのコピーばかりやっていた。


2. 「音楽×漫画」が生む、新しい没入体験

注目すべきは、弾き語りやライブシーンの歌詞の表現。

楽曲の歌詞がインパクトある殴り書きのような字体や、独特のフォントを駆使して描かれていて、静止画なのに“音”が聴こえてくるような迫力を感じる。

おすすめの読み方として、作中で演奏されてる曲を実際にBGMとして流しながら読むこと。
耳慣れた曲がいつもと違って新鮮に聞こえ、漫画から音が溢れ出してくるような没入感が生まれます。

「紙の漫画なのに、音付きで体験している、まさにその場で演奏を聴いているかのような」新しいマンガ体験が味わえる!


3. 圧倒的な「個性」で評価を覆す主人公像

また他に、本作で胸が熱くなるところとしては、主人公[はとっち]が「美形で美声で歌が上手い」わけではないのに、その歌声の凄みで周囲の脳に刺しにいくところ。
過去、中学時代では歌やセンスが理解されず、時には声質をバカにされる場面もある。
音楽経験もまだ浅く、テクニックも未熟で、心が折れてしまいそうな状況。

だけど彼女には、圧倒的な熱量と、捨て身の覚悟がある。
そしてそこには欠点を「武器」に変える逆転劇がある。
自分の声にコンプレックスを抱きつつも、声量と剥き出しの感情。
顔歪めながらも、どこか楽しそう、謎の凄みだけで、観客たちを自分の世界へ巻き込む。

「上手くないけれど、誰よりも響く」という描写は、効率化が求められる現代において、忘れられがちな“泥臭さ”や“強さ”を感じさせてくれる。

タイトルは『ふつうの軽音部』ですが、中身はけっこう『ふつう』じゃない。
弱さを自覚しながらもステージに立ち、周囲を黙らせるほどのインパクトを残していく姿に清々しさを感じます。これが神の起こす奇跡。


4. まとめ

その他、魅力的なキャラクターたちや、軽音部の日常、青春が交差する濃密なドラマなど、語りたい部分はまだまだあるのですが、これからアニメ化の行方も気になるところですね、、、!
声優さんの審査や楽曲の権利など、皆の期待やハードルはなかなか高そうですが、ぜひ乗り越えていただき、可及的速やかに映像化してほしい作品です。

ジャンプ+で無料で読める話も多いので、気になった方はぜひ!

(出典:『ふつうの軽音部』第1巻/クワハリ・出内テツオ/集英社)


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この記事の著者

山下 翔一朗

株式会社グーチョキパース代表取締役/1988年埼玉県川越市生まれ。小さいときから絵を描くことが好きで、美術高校・美術予備校・美術大学で、美術やデザインの基礎を学ぶ。多摩美術大学を中退後、日建設計イラストレーションスタジオにて10年間、手描きパース制作に従事し、数多くの大規模プロジェクトに携わる。その後独立し、株式会社グーチョキパースを設立。手描きパースや建築イラストを、設計事務所、不動産開発会社、広告企業など多様なクライアントへ作品を提供している。

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