手描き建築パースって、実際どうやって描いてるの?

こんにちは!グーチョキパース代表のショウイチロウです!
手描きパース・建築イラストって、
「実際にどうやって描いているんだろう?」って気になりますよね!?
「ペンタブを使うの!?」
「絵の具とか画用紙は使うの!?」
「そもそも、仕事としてどういう流れで完成するの!?」
今回の記事では、実際の業務の流れに沿って、
お問い合わせ → 打ち合わせ → 制作 → 完成・納品までの工程を、
ズバっとわかりやすく紹介したいと思います!
建築学生さんにとっては永久保存版かも!?
「手描き建築パースができるまで」の、最初から最後までを一気に見ていきましょう!
どうぞご覧くださいませ!!!
1-お問い合わせ
グーチョキパースでは、メールでのお問い合わせをいただくことが多いため、メールチェックから一日が始まります!

まずは、お客様からいただいたお問い合わせ内容を確認します。
この段階で確認するのは、
・用途(プロポーザル・コンペ、景観協議、PR用など)
・必要な枚数
・アングル
・希望する絵のタッチ
・締め切り、納期
・ご予算感
など。
制作を進めるうえで必要な情報がしっかりと揃っているか、一つひとつ確認していきます。
情報に漏れがあれば、メールで追加確認をするか、次回の打ち合わせで確認する事項としてガントチャートにメモをしておきます。

絵を描き始める前の情報整理、交通整理も、手描きパースを制作するための大切な工程です!
2-打ち合わせ
どんなプロジェクトなのか、その空間や建築、場所を、何のために、どんな雰囲気で見せたいのか。
お互いに会話しながら、イメージの摺り合わせをしていきます。

打ち合わせでは、言葉やテキストとして伝えられる内容だけではなく、
お客様の【話し方や言葉のニュアンス、声のトーンの微妙な変化】も聞き逃さないようにしています。
「ここを一番見せたいんだな」
「この部分には特に思い入れがありそうだな、、、」
「今回は華やかさより、落ち着いた雰囲気を求めているんだな」
そんな、言葉の奥にある気持ちや意図まで繊細に汲み取り、イラストに反映できるよう努めています。
現在はオンラインでのお打ち合わせが多くなっていますが、もちろん対面でのお打ち合わせにも対応しています!
3-お見積り・ご発注
打ち合わせで確認した内容をもとに、お見積書を作成・発行します。
金額・納期・制作内容をご確認いただき、正式にご発注いただいたら、いよいよ制作スタートです!
※STEP1〜3は、プロジェクトやご依頼内容によって、実際には順番が前後することもあります。「必ずこの順番で!」というわけではなく、お客様の状況に合わせて柔軟に対応いたします。
4-指示書・アングル受領
図面や3Dモデル、アングル、参考資料などをまとめた「指示書」を受領し、内容をじっくり読み込んでいきます。

実はこの「指示書」こそ、手描きパースがうまくいくかどうかを左右する、とても重要なものです。
勝手知ったるクライアントであれば、阿吽の呼吸のような「まさにこれや!」という的確な資料が送られてくることもあります。
一方で、パース制作依頼にあまり慣れていらっしゃらないお客様の場合、情報が足りなかったり、逆にたくさんの資料の中から「何を一番伝えたいのか」を読み解く必要があったりと、指示書の読み込みが難しいこともあります。
ですが、僕たちもプロです!
できる限り指示書の一字一句までを読み込み、図面や資料と照らし合わせながら、「お客様がどんなイメージを持っているのか」「この一枚で何を伝えたいのか」を紐解いていきます。
絵を描く技術だけでなく、
こうした「意図を読み取る力」も、手描きパース制作の大切な仕事のひとつだったりします。
※「指示書ってどうやってつくればいいの?」という方に向けて、指示書のつくり方を詳しく紹介した別記事もあります。よろしければ、こちらもぜひご覧ください!↓
5-ラフスケッチの作成
プロジェクトによっては、まだアングルが決まっていなかったり、「まずは画角のイメージを見てみたい」というケースもあります。
その場合は、最初から清書となる線画作業に入るのではなく、まずはざっくりとしたラフスケッチを作成します。
こうしたご依頼は、プロジェクト終盤のカッチリとしたフェーズというよりも、プロジェクト自体が始まったばかりの段階であることが多いと感じます。
正確なスケールや細かなディテールを表現することよりも、「こんな場所になったらいいな」「こんな使われ方をしたら楽しそうだな」という、イメージや夢のあるイラストが求められるケースですね。
そこでラフスケッチでは、プロジェクトで求められているイメージを最大限伝えられるように、アングル、メリハリ、画角、密度、人物や植栽などの添景のバランスを意識しながら描いていきます。
そして、この段階では「なるべく早くお見せすること」も大切にしています。
最初から時間をかけて緻密に丁寧に描き込んでも、そもそもの方向性がクライアントのイメージと違っていれば、その作業が無駄になってしまう可能性があるからです。
そのため、クライアントが完成形をしっかり想像できるところまで描きつつ、できるだけ少ない手数で仕上げる。
ラフスケッチでは、この「伝わること」と「丁寧すぎないこと」のバランスがとても重要なのです!

↑ラフスケッチのイメージ。この絵では、「未来のまちの賑わいを描いた鳥瞰イラスト」をイメージして作成しました。近未来の建物やデッキ回遊、さまざまなモビリティなどを盛り込み、楽しくワクワクする未来のまちを表現しています。
※アングルがすでに決まった3Dモデル画像などをいただける場合や、カッチリした絵を描く場合には、この工程を省略し、最初から線画作業に入るケースもあります。
6-ラフスケッチの確認・修正
作成したラフスケッチをクライアントへ送付し、イメージをご確認いただきます。
この段階で確認していただくのは、細かな部分というよりも、「大きなアングルや構図」「絵のタッチ」「魅せ方や演出の方向性」など、絵全体の方向性に関わる部分です。
ここで大きな方向性をしっかり共有しておくことで、線画や着色まで進んでから「やっぱりイメージが違う!」となってしまうことを防ぎます。
そのまま「OK!」となることもあれば、「もう少しこうしたい」「やはりイメージと少し違う」ということで、ラフスケッチを練り直すこともあります。
この段階では、まだ方向転換ができますので、クライアントとやり取りを重ねながら、イメージを合わせていきます。
7-線画の作成
お客様からラフスケッチのOKをいただいたら、いよいよ線画作業に入ります!
ラフスケッチを下図として敷き、その上に新しいレイヤーを作成。
ラフで描いたイメージをもとに、一本一本、線をきれいに、丁寧に描き込んでいきます。

建物はもちろん、人物や植栽、家具、小物などの細かな部分まで、全体のバランスを見ながら線を整えていきます
ラフスケッチでつくった「イメージ」が、少しずつしっかりとした「絵」になっていく工程です!

現在は、修正のしやすさや、複数人での同時作業といった観点から、主にPhotoshop(フォトショップ)やCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオ)などのペイントソフトを使って線画を作成していますが、プロジェクトによっては、実際のペンを使って紙やトレーシングペーパーに線画を描くこともあります。
実は少し前(10年くらい前)までは、ペンを使ったアナログでの線画作成が基本でした!
現在はデジタルでの制作が中心になっていますが、求められる絵のタッチや表現に合わせて、デジタルとアナログを使い分けながら制作しています。

アナログで線画を描く際には、「ピグマ(Pigma)」というペンをよく使っていました。
線の太さは01・005・003あたりを、描くものや表現したい細かさによって使い分けていました。
建物や人物の輪郭から、目地割りや植栽などの細かな描き込みまで、線の太さを使い分けることで、絵にメリハリをつけていきます。
8-線画の確認・修正
線画が完成した段階で、再度クライアントにチェックしていただきます。
ここでは、建物や空間の形、必要な要素がきちんと描かれているかなどを中心に確認していただきます。
また、人物や家具、車、樹木などの「添景(てんけい)」についてもチェックします。
添景とは、建築パースの中に描かれる人や家具、車、樹木などの細かな部分要素のこと。実はこうした添景も、空間の使われ方やスケール感、賑わいを表現するための重要な要素なのです!
この段階で必要な修正を行い、線画が確定したら、いよいよ次は着色作業!
9-着色作業
線画が完成したら、着色作業に入ります!
まずは絵全体のトーンを意識しながら、大きな面や広い範囲から色をのせていきます。
今回の着色はPhotoshop(フォトショップ)で進めます。

そこから少しずつ色を増やし、明暗やメリハリ、奥行きや空気感をつくりながら、絵全体を仕上げていきます。
着色方法もひとつではなく、Photoshop(フォトショップ)を使ってフラットに着色することもあれば、水彩絵の具を使って、にじみや色ムラを活かしながら着色することもあります。

水彩で着色する場合は、ウィンザー&ニュートンの透明水彩をよく使用しています。紙は、ウォーターフォードやアルシュ紙などを、表現したい雰囲気によって使い分けます。
ウォーターフォードはすこし表面がツルッとしていて、パリッとシャープな印象に。
アルシュ紙は絵の具のにじみや風合いが出やすく、しっとりとした抒情的な仕上がりになります。
「デジタルだから良い」「アナログだから良い」ということではなく、そのプロジェクトで何を伝えたいのかによって、最適な表現方法を選ぶことが大切です。
建築や空間の雰囲気、プロジェクトのコンセプト、求められる絵のタッチに合わせて、最も魅力的に見える着色方法を選びながら仕上げていきます!
10-着色版の確認・修正
着色版が完成したら、クライアントへ送付し、仕上がりをご確認いただきます。
全体の色味や雰囲気、素材感、添景などをチェックしていただき、必要に応じて細かな修正や調整を行います。
ここまでくれば、完成まであと少し!
11-完成・納品
クライアントからいただいた最終修正指示を反映し、細かな部分まで調整したら、ついに手描きパースの完成です!

最終データをご確認いただき、問題がなければ納品。
お問い合わせから始まり、打ち合わせ、ラフスケッチ、線画、着色、そして何度かの確認・修正を経て、一枚の手描きパースが完成します。
これにて、一連の制作は終了です!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段から「手描きパース」に馴染みがある方にも、そうでない方にも、制作の裏側やポイント、僕たちが大切にしていること・こだわっているところなどを、少しでもお伝えできていれば嬉しいかぎりです!!
普段何気なく目にしている手描きパースもCG建築パースも、実はこんな工程を経て、一枚一枚つくられています!
この記事をきっかけに、手描きパースや建築イラストに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!
制作のご相談も、ぜひお気軽にお問い合わせください!
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